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「世代を超えたおつきあい~人生100年時代~」(コラム#007)

 「人生100年時代」というが、日本では同世代とばかりつきあってしまう傾向が強い。93歳になる大作曲家バート・バカラックは、近年30-40代のアーティストとコラボして、新曲を積極的に発表している。「ダイバーシティ」が大事だというが、確かに、年齢を含め、異なるバックグラウンドを持つ個性が集まって協力することは、音楽に限らず、色々な分野を活性化させる触媒になるに違いない。(ソーシャル・コモンズ代表 竹本治)

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 先日、パリ在住のOudyから久しぶりに便りが来た。とても嬉しい。彼とは30年以上も前、カリフォルニアの英語学校にいたときに仲良しになったのだが、考えてみれば、自分は社会人留学生、彼は中学校に入りたてくらいで、15歳ほど年の差があった。クラスのパーティーで、彼が傘をもちながら『雨に唄えば(Singing in the rain)』を歌い、自分がピアノ伴奏をしたのが懐かしい。



 「人生100年時代」というが、日本で普通に暮らしていると、同世代とばかりつきあうことがどうしても多くなってしまう。学校や職場にいて5歳も10歳も年齢が違うと、先輩・後輩、上司・部下といった関係になりがちで、フランクな友情は築きにくいものである。

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 往年の大作曲家バート・バカラック(代表曲『雨にぬれても』、『ニューヨーク・シティ・セレナーデ』、『愛のハーモニー』)は、93歳になる今もなお、現役で活躍している。それだけでも驚きであるが、さらに驚くべきことに、近年は30~40代のアーティストと組んで、積極的に新曲を発表しつづけている。そして、郷ひろみ(66歳)は、昨夏、バカラックのそうした新曲のひとつを、デビュー50周年記念のシングル曲としてカバーし、さらに、別のシングル曲では、18歳の日本のアーティストに作詞作曲を依頼している・・・。



 「ダイバーシティ」が大事だと、巷間言われているが、こうした世代を超えた多様なコラボの中にこそ、新たな発見や創造があるのだろう。性別・人種・年齢にとどまらず、異なるバックグラウンドを持つ個性が集まって協力することは、音楽に限らず、色々な分野を活性化させる触媒になるに違いない。日本でも、スポーツなど共通の趣味を通じた場では、フラットなつきあい方が出来ているのかもしれないが、仕事などでも、もっとそういう要素が増えていってもいい。


 幸い、自分も趣味のバンド活動では、親子ほどの年の差のある仲間と一緒に音楽を楽しんでいる。日常生活の様々な場面でも、世代の異なる方々から刺激をいただきながら、日々豊かに暮らしていきたいものである。

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